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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年11月15日

現内閣は必要な無駄!?

 え~と、先々週の水曜日の記事です。

絶滅危惧、363種増加 09年版レッドリスト

 世界の科学者や政府機関などでつくる国際自然保護連合(IUCN、 本部スイス)は3日、生息状況が分かっている約4万8千種の生物のうち、絶滅が危惧(きぐ)されるのは前年より363種増え、約36%に当たる1万 7291種に上ったとする2009年版の「レッドリスト」を発表した。既に絶滅、あるいは野生では絶滅したとされる種も6種増え875種となった。
(MSN産経ニュース(共同通信)より前半部を転載 )

 そして、こういった話題もあります。
高速道予定地から県造成の人工海浜へ

 徳島市の四国横断自動車道の建設予定地に生息する希少な甲虫「ルイスハンミョウ」=写真、徳島県立博物館提供=を保護しようと、徳島県が人工海浜 を造成し、2年かけてハンミョウの“引っ越し”に成功した。先月から約30匹が次々と羽化している。県は「開発と環境保護を両立させ、環境教育にも取り入れたい」としている。
 ルイスハンミョウは体長約2センチで、河口域の浜辺に生息。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧2類に指定されており、徳島、広島など4県で確認されているだけという。
 徳島市では、同市北沖洲の沖洲海浜の干潟(約300メートル)で生息しているが、県は国の高速道路計画に沿い1994年、埋め立てを決定。干潟の保全を求める市民が多く、県は、その象徴としてルイスハンミョウを保護することにした。

(読売新聞より前半部を転載)


武坊
 県内でもびっくりするのは、田んぼに当たり前にいた、ゲンゴロウが、準絶滅危惧種に入っている、との事で、「エーッ!そうなの!?」と思うけど、そう言えば最近見ないですよね。
 まあ、農薬や水質汚染が原因と言われていますが、そういうのを受けて、自治体レベルで絶滅危惧種を、税金を使って移動させた、て事ですよね。
 でもまあ、徳島だって同じ地方で、財源が豊かな所じゃない筈だから、色んな意見があると思うんですよ。
 だって、人間様が生活に困っている現実が多々ある中で、
「何でそんなナントカ虫なんて、そんなもん・・・別に食料にならないし、何の役に立つか分かんないんだから、そんなもんに税金を使うくらいなら、こっちに使え」
ていう意見が、多分ある筈。
 でも、税金が情緒的に使われたのか?良い人振る為に、こういうことをしたのではないと思うんですよ。
 やっぱり生態系というものを大きく捉えた時に、人間にとってみればどうでも良い虫が、どういう影響を与えるか、実は分からないのよね。
 生態系って、言いかえればシステムでしょ?システムってのは、良いシステムほど、自動安定機能が備わっていると思うんです。
 だから、少々のものが無くても、それをカバーしようとする力が働くから、システム自体はぐらついていないように見える、これはシステムと名の付くもの全てそうだと思うんです。
 会社もシステムでしょ?だから、一社員が抜けたって、その会社が一気に倒れるって事はないんですよ。
 だから、良いシステムほど、自動安定機能が働いているから、少々のものが据え変わったり無くなったりしても、上手く流れていくんですよ。
 人間の身体だってシステムでしょ?少々の刺が刺さったって、死にはしないけれども、刺よりもうちょっと大きな鉄砲玉が当たったら、当たり所が悪けりゃ、あんな小っちゃな玉で死ぬわけでしょ?
 だから、その“当たり所”っていうのがシステムのどこなのか、分からないわけ。急所が。
 だから下手すると、ゲンゴロウかもしれないし、ルイスハンミョウかもしれない、分かんないのよ。
 これがもしかすると、積将棋を1個抜いた時にガラガラ、と崩れる1コマかもしれない。
 だから、どうでも良い動植物も一生懸命守りましょう、ていう事だと思うんですよね。
 生態系に関しては、そういう考え方が大半で、自治体も動くんだけれども、人間のシステムに関してはどうか、と言うと、やれ、無駄を省け、こいつは何の役に立っているか分かんないから人員削減だ、少数精鋭でやろう、ていう方向に常に向かっているでしょ?
 でもこれは、意外と生態系と似てて、「何かこいつウダツが上がんないよなぁ」ていう存在が、実はその会社の安定を司る急所かもしれないよね?
 または、その人がいる事によって、皆振り向けば「あ、あいつがいるから大丈夫だ」ていう精神的な安定剤になっているかもしれないでしょ?(笑)
 国際社会もシステムだけれども、世界の嫌われ者と言われる存在が中東なり、アジアだったらすぐ傍にテポドンを飛ばしてくる所があったりするけれども、じゃあ、あれが無くなってしまえば、世界中平和になるか、というと、やっぱり新たなターゲットを見つけるような感じになって、下手すると今度は日本が苛められるかもしれない、これは予想がつかないわけですわ。
 だから、世の中、一見無駄そうに見えるものって、何かを担っているのかもしれないよね。
 まあ、ルイスハンミョウくんは助かったね、そういう意味では。
(以上、書き起こし終わり)


 ああ、午前中にアップした「エンゼルバンク」のネタ、ここで使うべきだったですね~

 ところで、絶滅危惧II類(Vulnerable, VU) というのはWikipediaによると、絶滅の危険が増大している種、ということで、危険度は7分類(絶滅~情報不足)まである内の、上から4番目となるそうです。これは、ゲンゴロウより1ランク上、メダカと同等となっているようです。
 宮崎でも、例えば串間市の千野川を改修する際、ゲンジボタルを守るために手作業で幼虫の移動を行ったり、北川の災害復旧工事で専門家の意見を聞きながら工事を行ったりした他、今整備が行われている川はほとんど、「多自然川づくり」という方法で整備がされています。
 これは、河川法が改正されて、河川改修の目的に防災や用水機能以外に、環境を守る機能を加えた事が大きいと思います。
 だから、税金をつぎ込んででも環境を守る、という意識は行政側にも大分浸透してきていると思いますが、まだ課題は多いと思います。
 徳島県の例では、人工海浜に移動させましたが、先進地であるヨーロッパでは、まず現在の生息地を保存することを第一に考え、それが技術的、その他の理由で不可能な時に、初めて代償地の検討がされるそうです。また、代償地でも、出来る限り元の生息地の環境に似せる事を考えるそうです。
 徳島県がどういう過程で人工海浜を造ったのかは分かりませんが、そういう検討を経て代償地に移す事を決定したのであれば、評価できる事だと思います。

 さて、税金の無駄を省く、と鼻息荒いキャバクラ政権ですが、果たして本当に無駄なところを削っているのでしょうか?
 聞くところによると、第1次補正予算で計上された学校や高速道路の耐震化が、カットされたとか。なるほど、民主党にとっては耐震化なんて無駄なんですね、よく分かりました。
 あと、羽田空港の容量拡大・機能強化予算もカットされたらしいですが、前原国交大臣は羽田空港を日本のハブ空港にする、とか言ってませんでしたっけ?
 他にも、国民の安全・安心を確保するための気象災害対策等の強化とか、住宅ローンの信用収縮対策、新型インフルエンザ対策費、雇用助成に関する基金など、「これ、本当に無駄なの?」と思われる事業が目白押しです。
 ここまでくると、第1次補正予算でカットした2兆9千億円は、「無駄を見つけたからカットした」ではなく、「3兆円を確保するためにカットした」と言われても仕方ないところだと思います。
 同じ無駄なら、キャバクラ政権が持続するこの無駄な時間をカットしてほしいですね。

 ああ、そうか、今日のテーマは「一見無駄なものでも、実はどこかで役に立っている」という話でしたね?失礼しました。
 では、キャバクラ政権の「必要な無駄」というものを考えてみましょうか。(この考える時間も、「必要な無駄」でしょうか?)
 あれはあれで役に立っているという前提で考えると、色々見えてきます。

 まず、総理大臣である鳩ポッポですが、あのブレまくり発言、八方美人体質のおかげで、外国人参政権や人権侵害救済法案などの売国法案がなかなか国会に提出されずに済んでいる、とも言えます。
 また、千葉法相を始めとするプロ左翼が閣僚にいる事で、保守派が危機感を持ち、各地で保守系団体が起ちあがっています。(ニッポンの支点を考える会もそうでした)
 な~るほど、鳩ポッポらは、自ら泥を被る事で、日本を正常な方向に導こうとしているのですね!まさに深謀遠慮、恐れ入りました!!(棒
  


Posted by なまくら at 16:59Comments(0)政局

2009年11月15日

予測不可能なものには手を出したくない、という考え方は是か非か

 水曜日は、今や全マスコミの関心を攫った、このニュースでした。

市橋容疑者の両親「逮捕されて安心…親不孝なやつ

 市橋達也容疑者の両親が11日、岐阜県羽島市で記者会見に応じ「逮捕されて安心した。ただ親不孝なやつだ」と複雑な胸中を明かした。
 整形手術と逃亡生活の果ての逮捕劇。千葉県に移送された市橋容疑者をテレビ報道で見た母(58)は疲れた様子を隠せず「あごのあたりを見て達也だと思っ た」という。父(58)は「移送で、もみくちゃにされる場面を見るのはつらかった」。両親が口をそろえ「優しい子だった」という市橋容疑者。かわいがって いた犬が死んだ約3年前、市橋容疑者が「帰るまで処分は待ってほしい」と泣きながら電話をかけてきたこともあったという。父は「命の尊さを、息子は分かっ ているはず」と嘆息した。また、今後の調べに対し、「(頭の中を)整理できていないのではないか」と推し量りながらも「素直に真実を話してほしい」と語気 を強めた。

(スポニチより転載)


武坊
 見た感じ、話し方、話している内容、トータルで、皆さん、「この親にして、この子あり」って、思いました?選んでいる言葉、話し方、まあ、まともだよねぇ?
 きっと針のムシロだろうな、って思いながら見ていました。
 よく、親の責任だ、て言われちゃうんですけれども、親って、どこまで子供に影響を与えられるのか、未知数だからねぇ。
 子供って本当に困った存在でさあ、予想がつかない、子供が将来どうなるかなんて、親だって完全には予想できませんもん。
 誰しも、自分の産んだ子供が犯罪者になってほしい、と思って教育する訳じゃないもん。疑問に思いながらも、「多分これだろうな」って教育していくじゃない。
 でも結果として、自分の子供が犯罪者になってしまう、って事も時々あるよね。
 一時期、“17歳の犯罪”が話題になった時、その年代の子供を持つ親御さんが、必ず言っていました。
「被害者になるのも怖いけれども、ウチの子供が何かしでかすんじゃないか、て、まあ年頃でよく話してもくれないし、それだけが本当に怖い」
て。
 こういうことがあるから、実は少子化の原因なのかな、て思うんです。
 だって、うっかり作ってしまったら危ないでしょ?子供って。
 親は人生の成功を謳歌して、財を築いているにも関わらず、子供がこんなことを仕出かしたばかりに、一生台無しになるでしょ?
 だから、自分だけの自己実現というものに幸せを感じる大人がほとんどでしょ?
 大学出ました、夢持ちました、資格も取りました、さあ、社会に羽ばたくぞ、ていう時に子供出来ちゃったら、それで時間とられるでしょ?
 で、保育園、幼稚園入れたところで、突然インフルエンザで熱が出ました、なんて事になったら、明日いくら重要な会議があっても休まなければいけなくなる。
 そういう予測不可能なものは、社会は認めてないでしょ?
 会社だって組織だって、皮肉な話、PTAだって「明日、全員が健康な体の下で集まる」てのが前提になっていて、そこでバザーの商品係のお母さんが「子供が熱出したので休みます」ってなったら、バザーは立ち行かなくなるから、下手するとお祖母ちゃんにお任せして、お母さんはバザーに出ていく、てことがあるよね?
 本末転倒だよね。本当は子供を守るPTAなのに、組織の運営が優先されるじゃない。
 それは、不測の事態が起こっても、最優先してやる、てのが暗黙の了解であるからなんです。
 でも、子供ってそんなの知ったこっちゃないんです。
 だから、子供がいると、今の大人の価値観からすると、邪魔なんだと思うんです。自分の自己実現の邪魔にしかなっていないでしょ?

 今、民主党の政策で、“子ども手当”てのが出ているけれども、経済的な理由、てのよりも、こういうリスクを今の人達は嫌がっているのではないかと思うんです。
 予測不可能なモノには手を出したくない
 都市型の考えの人は思っていると思うんです。

 でも、それと全く逆の考え方、田舎型の考え方はそうではなくて、予想のつかないものが周りにいっぱいあるじゃない。台風で山が崩れたり、川が氾濫したり、ビニールハウスが飛んで行っちゃったり、つまり農業ですよ。
 農業を営んでいる人たちって、どんなに作物を手入れして精魂込めて作ってもさあ、どうなるか分かんないわけだ、これが。
 でも、一回ね、面白い事を言ってましたわ。
 わたしが対人的な事で愚痴を言ったわけ。
「人って、100良くしてやっても、それが10で返ってきたら良いけれども、下手すると、0の時も、仇で返される時もある、何か嫌になっちゃいますよね」
と言ったら、農家の人が笑って
「作物もそうよ。じゃあ、1リットルの水を胡瓜にあげたとしましょうよ。胡瓜が吸うのはせいぜい何ccかでしょう。あとは全部土が吸いこんで無駄になっちゃうんです。じゃあ、胡瓜には吸う分の何ccかしかあげなかったら、明日枯れますわ。だから、良いんですよ。無駄になっても。だから人間の育成も植物の育成も、そういうものなんだ」
て。
 ああ、やっぱり地面に根ざして生活している方は、本質的なところが分かっていらっしゃるな、て、凄く目から鱗だったの。
 今の都会的な考えは、「○○を施せば、それがちゃんとリターンしないもの、予測不可能なものはやらない」ていう考え方でしょ?
 これは官僚的な考えだ、て以前は言われていたんですよ。予測不可能なものは、一切やらない。
 これが今や一般庶民全てが、予測不可能なものは、なるべく避けて通ろうとする、これで少子化なんだ、と思うんですよ。
 自分の子供が犯罪者にならないとは限らない、どっかでそのリスクを背負いながら生きていくことによって、初めて人としての深みが出るんではないか、と思うんです。
 なんかそんな複雑な思いで、この両親の会見を見ていました。
 若い人達が、そっちのマイナスの方向に感情を持っていかないでほしいな、と思って見ていました。
(以上、書き起こし終わり)


このようなリスクを恐れる考え方が、少子化の一番の原因ではない、とは思いますが、そういう一面もあるのかな、と思いながら書き起こししてまいりました。

 話は変わりますが、この英国人女性殺害事件、マスコミの異常性も際立っていましたね。
 なまくらはTVを見ていたわけではありませんが、ネット上に晒されたところによると、移送される新幹線での出来事、車に乗り込む際の怒声、等々。

 何というか、お前ら何様のつもり?大体、“容疑者”段階で、社会的制裁を加える権利がお前らにあるの?

 これで思い出すのが、JR西日本の脱線事故です。ヒゲ生やした読売新聞記者が、JR西日本の幹部に向かって悪態をつきまくって、それを見た視聴者から苦情が殺到した件がありましたよね。
 あれで反省したのか、と思いきや、全く反省していないどころか、さらにエスカレートしている!
 今回は、ついに逮捕者まで出してしまいましたよね。武坊さん、あなたのところの親会社、TBSの記者ですよ?
 報道は、一個人を社会的に殺す力を持っている、ということを肝に銘じていないと、いつか逆にやられちゃいますよ。(最近の売上を見ていると、既にやられている、とも考えられますが)


 さて、そろそろ本題に戻るとして。
 子供が犯罪者になる恐れがあるから産まないのかどうかは分かりませんが、子供が自己実現の妨げになる、確かにそういう一面はありますよね。
 なまくらがこのブログを書くのも一苦労なんです。一時期は子供を放ったらかしてブログを書いていましたが、そうしたら、少し反抗的というか、情緒不安定になってしまいました。そこで、これではいけない、と思い、子供が寝静まってから更新するようにしたのですが、今では慢性的に寝不足の状態となっております。
 でも、そうやって理性的に考えていったら、誰も子供を産みたがらないし、結婚すらしたくなくなりますよね。
 親戚付き合いや近所付き合い、職場仲間の付き合いだって、自分にとっては一見、何のメリットもない。しなくたって、不都合は生じないんだから、旅行とかのお土産を人のために買って来るなんて、バカバカしい。年金だって、明日死ぬかもしれないし、その前に破綻して、還ってこないかもしれない。
 子供にとってみれば、勉強だって何のメリットもない。連立方程式や漢詩や元素記号が、社会に出て、何かの役に立ちますか?
 まあ、リスクを避ける、ていうのとは少し違うかもしれませんが、理性だけで物事を考え始めると、無駄なものはいっぱいあります。
 けれども、農業の話にあったように、全ての無駄を省き始めたら、どうなるでしょう?
 親戚やお隣さんや同僚が何を考えながら日々を送っているのか分からない、もしかしたら自分の足を引っ張ったり、最悪、殺そうとしているかもしれない、そういった疑心暗鬼の中、日々生活していくことになりはしませんか?
 何の知識も教養も持たないまま育って、人間としての深みがでますか?

 なまくらは、
自分の子供が犯罪者にならないとは限らない、どっかでそのリスクを背負いながら生きていくことによって、初めて人としての深みが出るんではないか、と思うんです。
とおっしゃった武坊さんの考えに、同調します。

 官僚はね、分からなくはないんですよ。
 税金を使って仕事をしている以上、リスクはとれない。責任をとる、て言ったって、結局は税金で責任をとるんだから、法律や条例などに「○○してもいい」「○○してはダメだ」と書かれていること以外の事は怖くてできない。
 そういうチャレンジは、政治家の仕事です。
 でも、それが一般人にまで蔓延すると、予測不可能なものはやらなくなると、社会は衰退するでしょうね。

 なまくらが現在愛読している漫画「エンゼルバンク(モーニング連載中)」で、こんなシーンがありました。

 “転職請負人”の主人公が所属する部署がなかなか成果を出せずにいるので、人事課はリストラするのではないか、という噂がたっていた。
 そこへ、人事課の人間が現れたので、噂は本当だった、と戦々恐々とする主人公。
 しかし、それを聞いた人事課の人は主人公を昼食に誘う。
 行ったのは、移動販売のお店。そこの弁当は500円くらいのものから種類が揃っており、主人公が選び始めた矢先に、目にとまったのが900円もする弁当。
 (うわ、確かに豪華だけれども、ちょっと高いわ。こんなの買う人いるのかしら。)
 主人公はそう思い、1ランク下の700円の弁当を買った。
 そして、人事課の人がこう言う。
 「君は、あの900円の弁当をどう思った?あれは1日2,3個売れれば良い方だ。大抵の人は、君のように500~700円の弁当を買っていく。しかし、店が売れ筋でない900円の弁当を置かなくなったら、どうだろう。今度は、700円の弁当が割高に思えて売れなくなる。そして、それを置かなくなったら、今度は600円の弁当が・・・」
 「あの900円の弁当は、その下の6,7百円の弁当を売るために必要なんだ。つまり、必要な無駄だ。よく、無駄を省け、と言うが、実は必要な無駄と、そうでない無駄がある。例えば、社長が無駄紙のプリントアウトや短くなった鉛筆などの無駄削りをやかましく言い始めたら、社員の意識がそっちばっかりに行っちゃって、やる気がなくなり、却って仕事の効率が低下しないか?それは、必要な無駄を省こうとした結果なんだ。君の部署も、はっきり言って会社のお荷物だ。しかし、わたしはこの部署をリストラする気はない。それは、必要な無駄だと考えているからだ。」

 それでヒントを得た主人公が、無事一人の転職希望者を転職させることに成功する、という話でした。

 フィクションながら、予測不可能なもの、つまり無駄と言われかねないものを省いていくと、社会が衰退しかねない、という良い事例ではないか、と思います。“必要な無駄”、子供や付き合いなども、きっとそういう部類に入るのでしょう。
 人間、理性的に行動したつもりでも、やはりどこかに落とし穴があって、莫大な損を経験してしまう、そういうことを示唆しているのかもしれません。

 まだまだ若輩者のなまくら、年寄り連中のすることに多くの無駄を感じてしまいますが、これから色々経験するにつれて、いずれ理解できるようになるのかも知れません。
  


Posted by なまくら at 09:43Comments(4)