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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年11月20日

米FOXテレビの大いなる誤解

 新聞ではごく小さな扱いでしたが、気になったのでこれを取り上げてみます。

「低姿勢過ぎる」 オバマ氏の天皇陛下へのお辞儀に米メディアが批判


 初訪日したオバマ米大統領が14日に皇居で天皇、皇后両陛下と面会した際、深々とお辞儀したことが「低姿勢過ぎる」と米ニュースサイトで物議を醸している。保守系FOXテレビは15日、外国の要人に頭を下げるのは「米国の大統領として不適切」と批判した。

 同テレビは、2007年2月に天皇陛下と面会したチェイニー副大統領(当時)は、握手だけでお辞儀はしなかったと比較。「オバマ氏は(お辞儀が)日本人受けすると考えたのだろう」と皮肉った。一部サイトは、オバマ氏が「ぺこぺこと頭を下げた」と非難した。

 政治専門サイト「ポリティコ」によると、米政府高官は、お辞儀は外交儀礼だとして「政治問題化するのは的外れもいいところ」と一蹴(いっしゅう)した。(共同)



 外交儀礼上、天皇陛下は世界最高位の権威であり、ローマ法王ですら上座を譲るほどの存在です。
 ましてや、法王以下の存在である米大統領が天皇陛下に深く頭を下げるのは、ごく当たり前のことです。
 ところが、米保守系メディアのFOXテレビはそう考えていないようで、それどころか
「世界元首たる我がアメリカの大統領が、2等国の元首に頭を下げるなど、けしからん」
と思っている様子です。
 全く的外れな批判です。

 ”権力”と”権威”は似て非なるものです。
 物理的な強制力である”権力”が「上から下へ」行使されるものであるのに対して、カリスマ性とも称される”権威”は「下から上へ」与えられるという関係にあります。
 また、「下の者」が進んで支配関係を受け入れるかどうか、というのも”権力”と”権威”の違いを特徴づけるポイントとなります。

 この”権力”と”権威”の関係を、実際の社会の例をもとに、より分かりやすく説明しているのが、加地伸行名誉教授です。

【正論】権威は皇室に連綿として在る 立命館大学教授、大阪大学名誉教授・加地伸行

(前略)
 律令制の実質化は皇帝に権力・権威をともに保証したが、律令制の形式化は天皇から権力を削(そ)ぎ落とした。この律令制は明治維新まで続いたので、位階を与える等の権威は存続した。権力を持つ幕府も天皇の権威をついに奪うことはできなかった。
 天皇には、少なくとも室町時代以降、権力がなかった。一方、中国皇帝には権力があったので、それを奪おうとする者が現れる。これが日中両国の歴史や人間の在りかたの大きな差となってくる。

 すなわち、日本では、権力の交替があっても、天皇の権威は奪われず常に権力の上に立ってきた。中国では、王朝の交替とは権威・権力の両方を奪うことであった。
 今日、世界の正常な国では、政権(権威・権力)は民主主義すなわち選挙方式によって承認される。だから、選挙結果によって権威・権力を失うことがある。そのとき、一種の不安定な政情となる。しかし、我国はそうではない。我国の政権には、権力はあるが権威はない。首相は権力者ではあるものの、権威は皇室に在る。
 現代日本人はどの首相に対しても敬意を払わない。首相に権威を認めていないからである。だから、首相がいくら交替しても、権威は不動であるので国家として不安定とならない。これが我国の底力となっている。
 我国はどのような危機に際しても、権威の不動によって政治が安定しており、必ず立ち直ることができたのである。それはこれからもそうであろうし、またそうでなくてはならない。
 その意味で天皇は政治における中核として内在している。単なる文化的権威や祭祀(さいし)者に終わらない。それが証拠に、ほとんどの日本人は、権威ある天皇を元首として意識しているではないか。これは強制や法制によるものではない。皇室に対する絶えざる自然な敬意に基づくものなのである。
 天皇、皇后両陛下のご成婚50年を機に、そのことをしみじみ噛(か)みしめている。

(MSN産経ニュース【正論】より抜粋転載)


 アメリカ大統領は”権力”は持っていても、決して”権威”を得ることはできません。加地氏は権力と権威の両方を持っていると書いていますが、4年に1度、選挙の洗礼を受け、落選したらタダの人になる、そんなものを権威と呼ぶのには、違和感があります。
 であるならば、権威>権力となるのは当然でしょう。
 アメリカ大統領が強いのは、世界最強の軍隊の最高司令官だからですが、全国民が支持し、尊敬しているかというと、決してそんなことはありません。
 それに対し、天皇陛下は何の力も持ち合わせていませんが、常に国民の安寧と平和を祈り続けておられます。だから、日本人であるならば誰しも、陛下を尊敬し、皇室を支えているのです。(一部、国籍”だけ”日本人の人達を除く)
 また、権威の世界では、在位がモノを言いますので、必然的に天皇家(世界最古の王朝)が世界最高の権威となるのです。
 だから、アメリカ大統領が天皇陛下に深く頭を下げるのは、外交儀礼上当たり前の事なのです。

 恥を知るべきはFOXテレビの方なのです。

 ところで、このニュースと全く関係ないところで、やたら騒いでいる、香ばしい人達がいるようです。

【トレビアン韓国】「オバマ大統領のお辞儀にショック!」韓国でも賛否両論

オバマ米大統領が天皇、皇后両陛下に90度のお辞儀をしたことについて、米国のみならず韓国でも大きな話題を呼んでいる。
(中略)
全体的な反応を見てみると、4割ほどが「驚いた」としながらも「外交儀礼」として見ているようだ。「礼儀正しいことが罪なのか?」「大統領でもあり大の大人であるオバマ氏が、当然の礼儀を見せただけ」「年長者に対する礼儀であろう」「どうやら米国は相当プライドが傷ついたようだ」など。
だが、残りの6割はオバマ大統領のお辞儀に「ショックを受けた」という意見で占められている。「米国が作った映画を見ると常に地球を救うのは米国人であった。そのような映画を見て育った私にとってはひどく失望させる姿で、気力すら無くなった」「米国が日本に…いくら外交儀礼だからとはいえ、これは違うと思う」「米国が日本に屈した」などである。
韓国ではオバマ大統領の訪韓を18日に控えている。そのため、オバマ大統領が見せた90度のお辞儀が「東洋式の挨拶」を尊重して行なったのであれば、韓国でも同様の丁寧な挨拶をするのではないかといった推測も流れている。訪韓でみせるオバマ大統領の態度によっては、物議の第2ラウンドが起こるかもしれない。

(ライブドアニュースより抜粋転載)

>韓国でも同様の丁寧な挨拶をするのではないか
あり得ませんから(笑)
  


Posted by なまくら at 01:23Comments(2)