2012年01月09日

日米関係と自立した主権国家について

 TPPを相変わらず盲目的に推進している産経新聞に、こんな正論が載りました。
 ネットでは何故か掲載されていなかったので、全文書き写します。

  直論・自立した主権国家への険しい道

 日本の食べ物は世界一安全である。日本の官僚がきちんと規制を敷き、食べ物や健康に対する主権を行使できるよう努めてきたからだ。狂牛病やポストハーベスト(収穫後の農薬)、遺伝子組み換え作物にしても、その基準は厳格だ。どのような店に入っても安心して食事ができるのは日本ぐらいだろう。
 だが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加すれば、そのような安全に対する主権は脅かされる。米国のタバコ会社は、禁煙法のあるオーストラリアにタバコを輸出しようとしたが、パッケージが華美であるとの指摘を受けた。他の国に輸出するのに、その国のルールを守るのは当たり前のはずだが、この米国のタバコ会社は「それは非関税障壁だろう!提訴するぞ」とオーストラリアを訴えたのだ。健康より商売を優先する考え方だ。これはTPP参加により、自国で安全基準を維持していくことが困難になることの一例だろう。
 それなら交渉で解決すればよいではないかと言われそうだが、今まで日米構造協議、郵政民営化、自動車、米、牛肉の輸入規制、企業の会計基準、銀行のBIS規制(自己資本比率に関する国際統一基準)、6ヶ国協議などすべての交渉事がとても日本の主導と思えない結論となっている
 なぜだろう。太平洋戦争の敗戦国であり、米国から軍事面で守ってもらっているという呪縛をまだ背負っているからではないのか。だからこそ米国との交渉で「それはダメです」と言えない。これから私たちは冷静に頭を切り替える必要がある。もう日本は敗戦国ではない。独立国家に治外法権の基地があってよいはずがない。米軍基地は返還の上、自衛隊の基地とし、必要な条約に基づいて貸与すればよい。当然使用料は払っていただく。かなり困難な道のりだがそれが第一歩となる。
 だが、それだけでは米国に頭があがらないだろう。自主防衛できないからだ。専守防衛のみで事実上、先制攻撃できない軍隊が、他国から驚異の対象と認識され、防衛力となるかどうか。それを周りの国は知っているからこそ韓国は竹島を奪い、中国は尖閣諸島で我が物顔で振舞い、ロシアは北方四島の返還交渉に応じないばかりか、漁船の船長を射殺したりやりたい放題である。
 2010年9月、尖閣諸島近海で我が国の海上保安庁の警備艇に体当たりした中国漁船など、日本の立場が米国であれば直ちに撃沈されていたであろう。北朝鮮がミサイルを発射しようとしたとき、日本国内では奇怪な議論が繰り返された。防衛行動が可能なのは燃料をミサイルに注入したときだとか、弾道が日本に向かったときだとか、本当にくだらない禅問答である。こんな議論がまかり通る国の言うことを真面目に聞く国があるかどうか、よく考え直した方がよい。
 専守防衛を廃棄してやっと米国を含めた国々と対等に渡り合える基盤ができるのだ。我々はよく、日本の外交交渉力がないと嘆く。当たり前ではないか。「守ってもらっているから」「敗戦国だから」という重石がある限りそれは不可能である。
 今回のTPP交渉もそうだ。その時我々日本人の頭に浮かぶもの。それは日米同盟、トモダチ関係を壊したら守ってもらえない・・・というものだろう。日本が自立した主権国家として再生していくための第一歩を踏み出せば、米国はどのような態度に出るか?これに難色を示せば、取りも直さず日本が対等の相手であると認識していなかった証となる。
 主権国家として日本が世界で生きていく以上、摩擦や軋轢はあって当たり前であるし、恐れてはならない。ここまで来て初めてTPPを検討しても遅くはない。その時は独立国家日本から素晴らしいプランが他の国々に提示されるに違いない。

(産経新聞 九州・山口版 平成23年12月28日より転載)


 著者は
 丸尾 匡宏さんという「自衛隊を日本国軍にする会」会長をしている方らしいです。

 産経新聞の経済部の連中や井上寿一ら「正論」執筆陣は、この正論に対し、反論できるでしょうか?普段、中国・ロシアに対しては威勢のいいことを書き連ねる彼らが、本当は日本国民の健康や安全よりアメリカに嫌われたくない一心でTPPを推進していることが良くわかる文章です。
 こんな正論を言う人に対して、産経新聞は「親中派」のレッテルを貼っているのですから、何をか言わんや、であります。  


Posted by なまくら at 19:23Comments(0)安全保障

2012年01月08日

動き出した「平成の治安維持法」、人権救済機関設置法案

 あと2週間ちょっとで通常国会が始まります。その時に当ブログが今のペースで更新しているかどうか分からない(ぉぃ)ので、今日はこのことについて取り上げます。

法務省が人権救済機関設置法案の概要を発表

 法務省は15日、差別や虐待などの人権侵害の是正を図る人権救済機関「人権委員会」を法務省の外局として設置する「人権救済機関設置法案」(仮称)の概要を発表した。来年(※平成24年 筆者注)の通常国会への提出を目指す。

 野党時代に民主党が提出した人権救済法案を修正した内容で、深刻な人権侵害事案を刑事告発できる強力な権限を人権委に付与した。人権侵害や差別助長行為の定義は曖昧で、拡大解釈して運用され、憲法21条(表現の自由)を侵害する恐れがある。

 法案概要によると、人権委員会は、独立性の高い国家行政組織法3条に基づく「三条委員会」とする。

 人権委は、幅広い事案で当事者間の調停・仲裁を行い、重大な人権侵害には勧告を実施。行政機関の措置や刑事処分が必要になれば通告や告発を行う。公務員による人権侵害には、所属組織に勧告できる仕組みも盛り込んだ。軽微な事案は既存の人権擁護委員が業務を引き継ぐ。

 民主党案と違い、人権委による調査は任意とし、過料などの制裁措置を伴う権限を削除した。メディア規制条項も削除した。

 調査対象となる人権侵害は「違法と評価される行為」、差別助長行為は「不特定多数の者への不当な差別的取り扱いの助長・誘発を目的に識別可能とする情報を公然と摘(てき)示(し)すること」と位置付けた。

 人権擁護委員は「地方参政権を持つ人」としており、永住外国人に地方参政権が付与されれば外国人も就任できるようになる。
(MSN産経ニュース 2011.12.15版より引用)



 かねてより「平成の治安維持法」「平成のゲシュタポ法案」などと呼ばれ、危険性が指摘されている法案が蠢き始めました。
 この法案は自公政権・第1次小泉内閣時代の平成14年通常国会に提出された「人権擁護法案」がルーツになっています。この時は報道規制に関する部分などで反対が多く、3会期連続で審議されたものの、平成15年に廃案となっています。
 その後、平成17年に再提出が試みられたものの、平沼赳夫(現・たちあがれ日本代表)氏ら親日保守派の反対にあい、法案提出を断念。
 この頃から産経新聞やチャネル桜など、与党外にも法案の危険性が周知され、反対運動が巻き起こってきたようです。


 自公政権下での人権擁護法案には、次のような危険性がありました。

 ・正当な批判さえ差別と取られる可能性がある。
また、冤罪(言いがかり)をつけられた無実の人が救済されない。
・令状が要らない。人権委員会の主観的な判断での権力行使が可能。
警察署、不逮捕特権の議員事務所、皇居へ押し入ることもできる。
しかも家宅捜査を拒否すると、その度に何度でも30万円の罰金・科料を取られる。
・日本という国家の公権力とは別の新しい権力機関が誕生してしまう。
人権委員会の行動を監視・抑制する機関も法律も存在しない。
この法案を推進している朝鮮の反日団体などが日本国内において実質的に「警察と司法と立法を足した以上の権限」を持つことになる。
・人権擁護委員の選定方法と基準が曖昧。政治工作に利用しやすい。
また、国籍条項がない。確実に北朝鮮の工作員が人権擁護委員になる。
国家を転覆させる工作員を排除する欠格条項がわざわざ削除されている(言い換えれば国家を転覆させるための法案である)。
・ 何が差別と取られるかわからなくなると使える表現が減る。
ネットが規制され、自由な発言ができなくなる。
漫画、アニメ、小説、映画、テレビ、お笑い、音楽、ドラマなども人権擁護の名の下に“誰か”にとって都合がいいように検閲・規制される。
・インターネットの自由度を潰すことでマスコミの情報操作能力(世論誘導力)だけが単独で向上し、曲解報道や犯罪隠蔽に一般人は対抗できなくなる。
結果的に、テレビなどのマスコミの権力が過剰に増大する。
・テレビ等が敢えて取り上げないため、国民の多くが“この法案を知らない”。
・この法案の延長線上に計画されている反日感情を持つ某外国人への参政権付与が実現すれば日本の国政や外交に彼らが直接内政干渉できるため、
日本の領土、日本の海底資源、日本人拉致などの諸問題が全てマイナス方向に決着する危険がある。
(「国民が知らない反日の実態」様より転載)

 
 一方、当時野党だった民主党は同年、対案として「人権侵害救済法案」を提出。これは所謂郵政解散により廃案となりますが、この民主党案は自公案をさらに凶悪にしたものでした。
 具体的な違いは

 ・内閣府の外局として中央人権委員会を置き、都道府県知事の所轄の下に、地方人権委員会を置くとしたこと。
・中央人権委員会の委員のうちに、「人権侵害による被害を受けたことのある者」を含めるよう努めることとした。
・内閣総理大臣又は関係行政機関の長に対して、中央人権委員会から意見が提出されたときは、「その意見を十分に尊重しなければならない」としたこと。
・人権擁護委員は、地方人権委員会が委嘱することとし、その指揮監督を受けるとしたこと。
・人権擁護委員に対して、秘密保持義務、中立性保持義務を課し、地位利用を禁じる旨、明記したこと(自公案では、人権擁護委員に対して国家公務員法が適用されるため、記載がない。)。また、人権擁護委員が秘密を漏示したとき、「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金」に処するとしたこと。
(Wikipedia「人権擁護法案」より転載)


ということですが、特に2項目めは、あからさまに部落解放同盟や朝鮮総連などの参加を意識したものと言えるでしょう。最後の項目も、秘密保持を名目に、不当弾劾に対する批判報道などを避けたい意図があるのでしょうか?

 そして、時は流れ、平成21年。当時、史上最悪と思われた鳩山内閣が誕生、法相に千葉景子が就任したことで、法案成立への危機感は最高潮に達しました。
 しかし、その後は浮かれた鳩ポッポが普天間問題のちゃぶ台返しを行い、あっという間に政権は崩壊、続く空き管内閣も「下り最速」の支持率低下で人権法案提出どころではなくなりました。
 ところが、法案は官邸の地下深くで静かに温められ、孵る日を心待ちにしていたのです。

 昨年3月に起きた東日本大震災のドサクサに紛れ、管政権(当時)は人権機関設置の基本方針を発表しましたが、ほとんど話題になりませんでした。どうやら、この頃には反対運動も間延びしていたみたいです。
 そして今回、「人権救済機関設置法案」と名を変え、通常国会開会を待つだけ、となったのです。

 相変わらず、メディアの関心は低く、国民の多くが知らされないまま、法案が成立する危険性があります。
 消費税関連法案に関しては、野党が対決姿勢を強め、与党内もまとまらない状態ですので、放っておいても野田首相は解散を行う羽目になるでしょう。
 ところが、「人権救済機関設置法案」に関しては、民主党内保守派の力は非常に弱く(理念<<<選挙)、党議拘束を掛けられれば反対する者はいなくなるでしょう。野党にしても、公明党は元々の「人権擁護法案」の推進者でしたし、自民党内にも古賀誠などの推進派が多く、法案に賛成しない、という保証はどこにもありません。

 少しでも多くの国民に知ってもらう為に、なまくらも微力ながらお手伝いさせていただきたいと思います。  


Posted by なまくら at 09:05Comments(0)売国法案

2012年01月07日

反TPPを「親中」とレッテル貼りする産経新聞

 ここんとこ、増税議論一色で忘れ去られた感のあるTPP問題ですが、「地獄行きバス(by 小林のしのり)」の片道切符を未だ押し売りしている産経新聞が、新年早々大型社説を掲載していました。中身の無い、イメージ先行の社説など鼻で笑って放置しても良かったのですが、そこには、看過出来ない内容が・・・

(前略)
 TPP慎重論には、米国主導で進む経済圏構想を警戒する中国への配慮もうかがえる。まずは、中国が積極的な東南アジア諸国連合(ASEAN)に日中韓を加えた経済連携協定(EPA)を優先すべしという考え方である。

 一体、どこの反TPP派がそのようなことを言っているのか、なまくらは寡聞にして知りません。少なくとも、三橋貴明氏のブログを始め、反TPPを主張するブログを見ても、
「アメリカとではなく、中国と組むべきだ」
的な主張はとんとお目にかかれません。
 大体、WTOの加盟条件すら未だに満足に満たせてない中国と、まともにEPAを締結出来ると信じること自体、おかしいでしょう。

WTO加盟10年 「中国の公約違反」報告 米公聴会

産経新聞 2011年12月15日(木)7時55分配信
 【ワシントン=古森義久】米国の議会と政府が合同で米中関係の現状を調査する機関「中国に関する議会・政府委員会」は13日、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してからちょうど10年になるのを機に「WTO加盟の10年間で中国は公約を守ったか」と題する公聴会を開いた。

 この公聴会では議会、政府両方の代表から、中国がこの公約を破り、知的所有権の侵害や国有企業の不当な保護、経済体系の透明性欠落などの各面でWTO規則を守っていないことが強調された。

 オバマ政権を代表する通商代表部のクレア・リード代表補は「2001年12月に中国がWTOに加盟して以来、最初の数年は市場開放などに前進がみられたが、この5年間は国家の経済への介入が増大し、WTO規則違反や中国自身の公約違反が目だってきた」と証言した。

 同代表補は具体例として、中国が(1)偽造品の横行など知的所有権の違反を放置し、米国企業に巨大な損害を与えている(2)国有企業への過剰な補助金供与など、自国産業優先の「産業政策」が外国企業に重大な被害を与えている(3)米国にとって中国は世界最大の農産物輸出先となったが、中国農業市場は政府に管理され、外国企業の参入を阻んでいる-ことなどを指摘した。

(後略)

 産経新聞は、「反TPP派は親中派だ」とレッテルを貼りたいのでしょうか?もしそうだとしたら、産経新聞も地に落ちたものです。
 上記社説に続く文章も、稚拙極まりないものです。

(中略)
中国も、日本との個別EPA締結に前向きな姿勢を示し始めている。独善的な行動が目立つ中国を国際的な貿易ルールに組み込むためにも、TPPを推進する意味は大きい。実質的な日米同盟の強化にもつながる。

 要は、中国封じ込めの為にTPPに加盟を!とのたまっておるのですが、次にこちらの記事をどうぞ。

(前略)
 米国国務省のAPEC担当大使であるトング氏は、
「中国にTPPが中国封じ込め策と考えている人がいるが、現実には対中封じ込めは成功しない。アメリカは中国と協力的な関係を追及するべきと考えている」
 という主旨の発言しました。

(三橋貴明氏のブログ「新世紀のビッグブラザーへBlog」より)

 当たり前と言えば当たり前の話です。アメリカにとって中国は経済上の良きパートナーであり、露骨な排除は両刃の剣だと理解している筈ですから、TPPにそのような機能を持たせようと企んでいるわけがありません。
 そんなことを考えるのは一部の親米ポチ論壇と産経新聞くらいのものでしょう。あなた方、朝日新聞を笑えませんよ。
 どうしても中国を封じ込めたいのなら、日本が主体性を持ってそういう枠組みを作る努力をするべきであって、他国が作った枠組みの尻馬に乗っかって自分勝手な妄想を繰り広げるだけなら、こんなおめでたい国はないでしょう。
 しかし、彼らポチにはそのような自主独立精神は皆無のようです。

(前略)
渡辺利夫
 日本がTPPに参加せず、FTAAPでのリーダーシップも取れなかった場合、中国は再び東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)、つまり中国のいう「東亜共同体」論を前面に出して日本の取り込みに躍起となってくると私は想像します。ASEANプラス3という枠組みの中に日本を導き入れようという外交攻勢に中国は激しく出てくるだろうと思うんですよね。もし日本が新しい枠組みに参加できないでうろうろしていると、中国のほうに引っ張られる政治的ベクトルが動き出す、ということです。日本はアメリカにつくのか、中国につくのかというイデオロギー的な論争に再び火がつくのでしょうね。
(後略)

(平成24年 新春正論対談より)

 まるで、ヨーロッパ人が極東情勢を述べるような、この他人事のような話しぶりは何なんでしょう?この人は日本国の主権者ではないのでしょうか?
 結局のところ、アメリカについておけば何も考えなくてもうまくいく、みたいな発想でしかものごとを考えられないから、このような「どっちにつくか」論を平気で述べるんでしょうね。

 ちなみに、なまくらがTPPに反対する理由は

1.現在の金融無策では、関税が撤廃されて多少輸出企業の環境が改善されたとしても、超円高ですぐに吹っ飛ぶのでメリットが見いだせない。
2.デフレ時にとるべき政策ではない。
3.ラチェット条項により後戻り出来ない。
4.他の経済協定と異なりネガティブリスト方式の為、テーブルに載せられなかった、あるいは未来に出てくる新技術、新サービスなどは自動的に自由化の対象とされてしまう。
5.ISD条項により、NAFTA(北米自由貿易協定)においてカナダやメキシコが被ったような莫大な損害賠償が科せられる、国民の健康や雇用などを守る規定が軒並み外国勢力によって変更させられる。


といったところでしょうか。
 特に、3~5はその時々の経済状況に関わらず、日本に大ダメージを与える可能性が高いものです。

 そんなTPPを推し進める産経新聞を始め大手新聞各社は、まずは率先して新聞特殊制度を廃止することで、自ら自由化のメリットやらを享受してみてはいかがですか?  


Posted by なまくら at 01:26Comments(0)売国法案

2012年01月04日

新党「きづな」は単なる功利主義だろ

 年末に民主党を離党した9人が、新党を結成したようです。


「ず」を「づ」に…「新党きづな」4日結党届け

 民主党に離党届を提出した内山晃元総務政務官(千葉7区)ら衆院議員9人は3日、国会内で会合を開き、党名を「新党きづな」とすることを決めた。当初は「きずな」とする案もあったが、最終的に「きづな」に落ち着いた。代表に内山氏、幹事長に渡辺浩一郎氏(比例東京)、政調会長に斎藤恭紀氏(宮城2区)がそれぞれ就任することも決まった。4日に総務相に結党を届け出るとともに、記者会見を行う予定だ。
(24年1月3日(火)21時5分配信 読売新聞)



 「きづな」ねぇ・・・
 簡単に去年の漢字「絆」を利用せんでほしいわ、と思います。被災地の人々が、現・前政権、ひいては与党・民主党のセンセイらをどのような目で見ているか、分かっていればこんな「流行語に乗っかりました~」みたいな命名しないと思うんですが・・・

 しかし一体、誰との絆を大事にしたいんでしょうね、このセンセイ方。汚沢センセイとの「絆」だけは強そうな人たちばかりですが。
 と思っていたら、格好の記事がありました。

 与うる時、人は「絆」の中に立つ

(前略)
 絆の第一歩は、年老いた親や親戚縁者や友人を、災害の時には引き受けることだろう。そもそも絆の基本は、親と同居することだ。自分にとって頼りがいのある人との関係を持つことを絆というのだと考える人がいるとしたら、それは功利以外の何ものでもない。
(中略)
 人間にとって故郷とその絆は、懐かしくもあり、うっとうしくもあり、悲しくもあり、胸うずくものでもある。日本人だけではない。どの民族も同じような矛盾を感じている。絆はなくなってみると悲しく、結ばれている間は辛い時がある。その双方の思いを受け入れるのが絆なのだが、最近の絆への思いは「ご都合主義」の匂いがしないでもない。
 絆はそれによって得をするものではない。相手のすべての属性を受け入れることだ。絆の相手が金銭や物資の面で気前よく、心遣いも優しく、ものわかりよく、礼儀正しい人ばかりではない。けちで感謝もなく、図々しく自分勝手な人もいる。それらの美点も難点もすべて受け入れることが、絆を大切に思う姿勢というものだろう。
 絆を求める心が、自分になにかを与えてくれる人を期待しているとしたらそれは間違いだ。慰め、肉体的・金銭的援助・忠告、などを自分に与えてくれる人だけを思い浮かべるのなら、それは功利的なものだから、ほんとうの絆を求める心ではない。
 絆は、むしろ苦しむ相手を励まし、労働によって相手を助け、親切に語り、当然金銭的な援助さえもすることなのである。受けるだけの関係など絆ではない。むしろほんとうの絆の姿は、与えることなのである。自分が与える側に廻ることを覚悟する時、人は初めて絆の中に立つ。
 ほんものの絆は、相手のために傷つき、血を流し、時には相手のために死ぬことだと私は習った。もちろん誰にでもできることではない。しかし過去から今まで、多くの事故現場で、自分の安全や利益を捨て、危険を冒して相手の命を救った人たちがいた。
(中略)
 私たちはいつのまにか、ごく普通にコンピューターの画面の中だけで世界や人間を知ったつもりになっていたが、これからは生身の人々の真っ只中に自分を置き、そこから学ぶという姿勢を知るべきなのだ。それは多くの場合、決しておきれいごとでは済まない。摩擦、対立、相克、忌避、誤解、裏切り、などあらゆる魂の暗黒をも見せつけられるが、その苦悩の結果として、深い連帯感という幸福の配当も受けるものである。
 私にとっては、物心ついてから今まで、濃厚な対人関係こそすべての歓びと苦悩の種だった。私の廻りは常に絆だらけで、私はそれが、良くも悪くもある人生そのものだと考えて生きて来た。テレビの画面でヴァーチャル(現実に対して架空)な、従って薄っぺらな人生だけしか見てこなかった人たちの意識を、悲惨な地震と津波が濃密な現世に引き戻した、としたら、それは我々の人間性復活のための大きな贈り物と考えたい。
(作家 曽野 綾子)



 何故か、曽野さんのオピニオンだけMSN産経ニュースにアップされていなかったので、書き起こしました。

 新党を結成した9人は、「絆」という言葉の持つ、このような意味を理解した上で、あのような党名を付けた、と胸を張って言えるでしょうか?なまくらには、どうも「ご都合主義」の匂いがする気がするのですが。
 そもそも民主党自体が、綱領すら持たない「鵺(ぬえ)」のような党ですから、直近の一部の政策をもって簡単に離合集散を繰り返すのでしょう。次期総選挙はほぼ絶望的ですが、いつかまた民主党が政権与党になるような時が来たら、「きづな」の9人がいつの間にか復党していた、なんてことになっても、なまくらは全く驚きません。
 だって、所詮は「自分にとって頼りがいのある人(権力)との関係を持つことを絆だと考える人たち」ですから。  


Posted by なまくら at 23:34Comments(0)政局

2012年01月03日

年始のご挨拶

 平成24年が始まりました。
 年末にPCがクラッシュしたおかげで年末のご挨拶も年始のご挨拶も出来ずにいましたが、何とか新PCで復活を果たすことが出来ました。

 昨年は東日本大震災や原発事故、電力不足、円高、デフレの深刻化など、日本にとって終戦直後に次ぐ非常に厳しい年となりました。
 しかし、「今年の漢字」に「絆」が選ばれたことが象徴するように、日本人から戦後長らく忘れ去られていたものが少しずつ思い出され始めた年ともなりました。
 
 さて、今年も抱負を述べたいところですが、昨年初めに述べた抱負は、更新そのものが停滞してしまい、ほとんど実現出来なかったことは非常に恥ずかしい限りです。
 先の大戦を経験した方々のお話の記録は昨年出来なかった分、何とか実現したいと思います。
 また、憲法を始め、既存の法令・大綱等の徹底検証も道半ばで、公開するのはまだまだ先になりそうですが、何とか一部でも公開に漕ぎ着けたいと思います。
 国産品の優先購買やチャイナフリー、保守系言論の応援なども引き続き実践します。(その第一弾がmade in Japan印の富士通製PCになるとは・・・)

 今年は、消費税を巡って解散総選挙があるかもしれない、ということで、なまくらも「正しい情報」を広く国民にお伝え出来るよう、褌を締め直さないといけないと思っています。
 「正しい情報」の1つは、「デフレ下の増税が問題解決にならないばかりか、問題をより深刻化させてしまう」ということです。
 
 そんなこんなで、今年も宜しくお願い致します<(_ _)>

  平成24年(皇紀2672年) 1月3日  


Posted by なまくら at 18:20Comments(0)