2009年08月08日

”児童の口にチョーク”は誰が悪いの!?

 はい、やっと先週の水曜日の分です。(遅!)
 お題は、これ、なまくらは知らなかったんですけど、高知県の小学校で起きた、下記の事件の事でした。


 高知県教委は28日、公立小学校の50歳代の男性教頭が6月、担任する男子児童の口の中にチョークを入れ、心的ストレスを与えたとして、減給3か月(10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。
 児童は中学年で、チョークを入れられた翌日から、ほとんど学校を休んでいるという。
 県教委によると、教頭は6月24日、児童数人が授業中、あくびをし、全員に「次にあくびをしたら口にチョークを入れる」と注意。うち1人が「入れや」と口を開けたため、チョーク(長さ2~3センチ)を口の中に入れたが、すぐに取り出した。この児童は翌日から夏休みに入るまでの間、4日しか登校しなかったと いう。
 教頭は児童と家族に謝罪し、県教委に対し、「申し訳ないことをした。初心に戻ってやり直したい」と話しているという。

(読売新聞7月28日配信)


武坊
 感情的に色んな事を言うとややこしくなってしまいますので、この男の子は言ってみれば挑発したわけですよね?「(チョークを)入れてみぃや!」、て口をアーって開けた。
 普通、私たちの年代の感覚だったら、まあ、クラスに1人くらいいたよね、粋がってる奴。先生が注意したら「何や、コラ」そういう奴ってやっぱり突っ張ってたから、そこで先生に叩かれても「そんなもん痛くないわ」そんな感じの強さというか、そういうものがあったけれども、「入れてみぃや!」て入れられたら、「ああ!どうしてそんなことされたのかしら、わたし!」て、急に悲劇のヒロインになっちゃうわけ。そこが今の先生のやり辛いところなんでしょうね。
 その局面だけ見れば、チョークを入れた、てことで先生は責められちゃうわけだけれども、その前の流れからいくと、じゃあ、入れてみいや、て言う生徒がいた場合、先生は、叩いたりしないで、どうすれば良いんでしょうかね?その方法論がイマイチよく分かんないでしょ?

 何か、どっかで「舐めるなよ」という抑えを効かせておかないと、クラス全員がバラバラになって統率がとれないから、先生としては、どこかでガツンッとやりたい、ていう気持ちは当然ありますよね。
 でも、こうやって突っ張って、自分に歯向かって来るくらいだから、少々ガツンッとやったところで大丈夫だと思うのに、こういう風になっちゃうと思うと、先生たちもどういう風にすれば良いのか分かんない、て部分もあるんじゃないでしょうか?

横山由美
 最近の子供、てやっぱり怒られることがとっても少ないのかも知れないですよね。
 昔は、近所のオバちゃんとか親もそうですけど、色んな人が怒ったりしてましたけど、最近親も近所の方も怒らなかったりするので、怒られ慣れてないので、ガツンッとやられると、とっても怖いのかも知れませんよね。

武坊
 そうよね。何をもって普通、ていうのかも難しいんだけれども、どうやら傾向として、最初はすごく乱暴者で、傷つけやすいタイプに見えてたと思うんです。でも、実は傷つけやすい子、て傷つきやすい部分があって、自己防衛するために過剰防衛して傷つけやすくなってたりすると思うんですね。

 逆のパターンもありますよね。弱そうに見えて、実は物凄く怖い人。
 ネットのブログなんかで見るんだけれども、「私は会社の中では本当に上司から苛められていて、世の中に絶望して、引きこもり状態です」なんて綿々と綴っている、ある女性のブログがあったんですよ。それに対して、レスで「私もそう、会社、てオカシイよね」「私たち、て何なんだろう」て同情と共感を書いてくれる人には、凄く寄り添おうとするんだけれども、その中に、「でもさ、社会、てそれに打ち勝たないといけないんじゃないの?」てちょっと批判めいたことを書いてきた人に対しては、今まで絶望して打ちひしがれた、て言ってたのに、猛然と向かっていくのよね。
 「あなたは全然分かっていない!」「人の痛みが分からない!」「あなたみたいな人間がいるから、社会がおかしくなるだー!!」て、あんた絶望もしてないし、打ちひしがれてもいないし、パワフルじゃん!て思うわけよ。

 だから結局、両面あるんですね。傷つけやすい面と傷つきやすい面。
これは誰しもそうなんだけれども、あまりにも極端に両極に振れる、ていうのは、私は教育の範疇を超えている、と思うんですよ。

横山由美
 先生方もとっても大変でしょうね、そういう子供をたくさん抱えていたら。先生の方が逆にPTSD(心的外傷後ストレス障害)とか出やすくなっちゃって、心の病を抱える教師も増えているみたいですからね。

武坊
 医者じゃないから、「この人は病気です」なんて言うと差別になっちゃうけれども、今、学校にはスクールカウンセラーが入ってきたり、色んな意味で精神医学的なところからモノを見ましょう、て言ってるわけでしょ?
でも、大抵、事件が起っちゃってから、「確かにあの子は普段から人格が極端だった」て話が出てくるんですけど、なら、なんでその前にちゃんと精神医学的なもので見ないんだろう、てところで、こういう本をご紹介したいと思います。

 岡田尊司(おかだたかし)さん、ていう精神医学の先生がいらっしゃって、今、京都の医療少年院でお勤めなさってるんですけれども、その人の“パーソナリティ障害”(PHP新書)を読んでみたんですけれども、確かに現代に色々当てはまるな、ていうのがたくさんありました。
 “パーソナリティ障害”てのはどういうものか、ていうと、人格(パーソナリティ)の度が過ぎてしまって、社会に適応して生きていくのを邪魔している、ということ。兎に角、これを変えましょう、と。
 この先生が言うには、幼児の頃の虐待や育児放棄は、極めて深刻な結果を生む、と。やっぱり無条件に与えられるこの時期に、無条件に与えられる母親の愛情が、確固たる自我の基盤を作るから、それが損なわれると、自分の人格自体が極めて脆いものになってしまう、というようなことを書いている。
 そんな事を言うと、女性の社会進出を阻害してしまうことになってしまうけど、それはそれとして、そういう部分もある、と。

 何か、そういうところから捉えていくと、そういった“パーソナリティ障害”を抱えた子供たちを、精神医学のズブの素人である学校の教師に全てお任せする、てのは、はっきり言って無茶な話じゃないかと思うんです。別畑でしょ?
 そんな風なものを押し付けられている先生方が、それこそおかしくなってるわけじゃない。精神的に病んでいる。
 教育の場に、病気じゃないか、とか精神医学という言葉が入ること自体、アレルギー反応があるかも知れないけれども、意外とそれを入れた方が、すんなり片付くことも多いんじゃないかなぁ。
(引用終わり)

 家庭や地域が子供を育てる意欲、力を失っていると言われて久しいですけれども、精神医学的にも、母親の存在、て大きいんですね。

 少子化もそうですけれども、女性の社会進出が進むにつれ、子供の問題が深刻化している、と考えるのは早合点でしょうか?
 昔読んだ何かの本にも、女性の社会進出とか男女共同参画とかは、理念としては素晴らしいけれども、その実態としては、終身雇用の崩壊などで父親の収入が不安定になった、そのあおりを受けた結果であり、長期的には社会の活力を削ぐ、なんてことが書いてあった気がします。
 その功罪はいずれ判明するものとしても、子供の頃の躾、て大切だなあ、と思います。

 知人の子供なんかでも、他の子のオモチャを取り上げたり、叩いたりしてもほとんど叱らない人は結構います。
 また、たまに電車に乗ると、ろう学級の児童が身障者等の優先席に座って、隣の座席に鞄を置いて、1人で2人分の座席を占領しているのも見かけます。母親は、ホームから窓越しに手話で子供と会話していますが、それを咎める様子は全くありません。
 まあ、ろう者も身障者の内という見方もあるでしょうが、優先席は足腰の弱い高齢者や、立っているのが辛い妊婦などが優先的に座れる席であり、身障者全般の特等席ではない、と考えるべきだと思います。

 いずれの例も、我が子可愛さのあまり、また、我が子は特別だから、という意識のあまり、叱ったり注意したりしない例だと思います。
 しかし、その子たちはいずれ、上の学校、社会に出て一人の人間として責任を負う立場になるのです。その時、恥をかいたり、社会のつまはじき者になるのは、その子ら自身なのです。
 そうないようにすることこそ、今子供を叱って泣かせないことより、よっほどその子のためになるのではないでしょうか?

 とある神主さんは、こういう事をおっしゃられました。
“親”という字は木の上に立って見る、と書きます。決して、子供と同じ目線に立ってはいけないのです」と。
 大人ならではの、広く、長期的な視点から子供を育てなさい、という大変有難いお言葉で、なまくらは今でもそのお言葉を思い出します。

 日教組のように、子供の権利とかぬかしてたら、目先の楽しか考えない子供しか育ちませんし、実際に都会の学校では、児童がそれを見越して、教師が体罰を加えないという“安心感”の下、学級崩壊を起こしていますね。
 それが高知という地方の学校にも波及していることが証明されたわけですが、時には張り倒してでも言う事を聞かせる親と先生、それに地域がないと、本当にこの国は駄目になってしまうのではないでしょうか。


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