2012年01月07日

反TPPを「親中」とレッテル貼りする産経新聞

 ここんとこ、増税議論一色で忘れ去られた感のあるTPP問題ですが、「地獄行きバス(by 小林のしのり)」の片道切符を未だ押し売りしている産経新聞が、新年早々大型社説を掲載していました。中身の無い、イメージ先行の社説など鼻で笑って放置しても良かったのですが、そこには、看過出来ない内容が・・・

(前略)
 TPP慎重論には、米国主導で進む経済圏構想を警戒する中国への配慮もうかがえる。まずは、中国が積極的な東南アジア諸国連合(ASEAN)に日中韓を加えた経済連携協定(EPA)を優先すべしという考え方である。

 一体、どこの反TPP派がそのようなことを言っているのか、なまくらは寡聞にして知りません。少なくとも、三橋貴明氏のブログを始め、反TPPを主張するブログを見ても、
「アメリカとではなく、中国と組むべきだ」
的な主張はとんとお目にかかれません。
 大体、WTOの加盟条件すら未だに満足に満たせてない中国と、まともにEPAを締結出来ると信じること自体、おかしいでしょう。

WTO加盟10年 「中国の公約違反」報告 米公聴会

産経新聞 2011年12月15日(木)7時55分配信
 【ワシントン=古森義久】米国の議会と政府が合同で米中関係の現状を調査する機関「中国に関する議会・政府委員会」は13日、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してからちょうど10年になるのを機に「WTO加盟の10年間で中国は公約を守ったか」と題する公聴会を開いた。

 この公聴会では議会、政府両方の代表から、中国がこの公約を破り、知的所有権の侵害や国有企業の不当な保護、経済体系の透明性欠落などの各面でWTO規則を守っていないことが強調された。

 オバマ政権を代表する通商代表部のクレア・リード代表補は「2001年12月に中国がWTOに加盟して以来、最初の数年は市場開放などに前進がみられたが、この5年間は国家の経済への介入が増大し、WTO規則違反や中国自身の公約違反が目だってきた」と証言した。

 同代表補は具体例として、中国が(1)偽造品の横行など知的所有権の違反を放置し、米国企業に巨大な損害を与えている(2)国有企業への過剰な補助金供与など、自国産業優先の「産業政策」が外国企業に重大な被害を与えている(3)米国にとって中国は世界最大の農産物輸出先となったが、中国農業市場は政府に管理され、外国企業の参入を阻んでいる-ことなどを指摘した。

(後略)

 産経新聞は、「反TPP派は親中派だ」とレッテルを貼りたいのでしょうか?もしそうだとしたら、産経新聞も地に落ちたものです。
 上記社説に続く文章も、稚拙極まりないものです。

(中略)
中国も、日本との個別EPA締結に前向きな姿勢を示し始めている。独善的な行動が目立つ中国を国際的な貿易ルールに組み込むためにも、TPPを推進する意味は大きい。実質的な日米同盟の強化にもつながる。

 要は、中国封じ込めの為にTPPに加盟を!とのたまっておるのですが、次にこちらの記事をどうぞ。

(前略)
 米国国務省のAPEC担当大使であるトング氏は、
「中国にTPPが中国封じ込め策と考えている人がいるが、現実には対中封じ込めは成功しない。アメリカは中国と協力的な関係を追及するべきと考えている」
 という主旨の発言しました。

(三橋貴明氏のブログ「新世紀のビッグブラザーへBlog」より)

 当たり前と言えば当たり前の話です。アメリカにとって中国は経済上の良きパートナーであり、露骨な排除は両刃の剣だと理解している筈ですから、TPPにそのような機能を持たせようと企んでいるわけがありません。
 そんなことを考えるのは一部の親米ポチ論壇と産経新聞くらいのものでしょう。あなた方、朝日新聞を笑えませんよ。
 どうしても中国を封じ込めたいのなら、日本が主体性を持ってそういう枠組みを作る努力をするべきであって、他国が作った枠組みの尻馬に乗っかって自分勝手な妄想を繰り広げるだけなら、こんなおめでたい国はないでしょう。
 しかし、彼らポチにはそのような自主独立精神は皆無のようです。

(前略)
渡辺利夫
 日本がTPPに参加せず、FTAAPでのリーダーシップも取れなかった場合、中国は再び東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)、つまり中国のいう「東亜共同体」論を前面に出して日本の取り込みに躍起となってくると私は想像します。ASEANプラス3という枠組みの中に日本を導き入れようという外交攻勢に中国は激しく出てくるだろうと思うんですよね。もし日本が新しい枠組みに参加できないでうろうろしていると、中国のほうに引っ張られる政治的ベクトルが動き出す、ということです。日本はアメリカにつくのか、中国につくのかというイデオロギー的な論争に再び火がつくのでしょうね。
(後略)

(平成24年 新春正論対談より)

 まるで、ヨーロッパ人が極東情勢を述べるような、この他人事のような話しぶりは何なんでしょう?この人は日本国の主権者ではないのでしょうか?
 結局のところ、アメリカについておけば何も考えなくてもうまくいく、みたいな発想でしかものごとを考えられないから、このような「どっちにつくか」論を平気で述べるんでしょうね。

 ちなみに、なまくらがTPPに反対する理由は

1.現在の金融無策では、関税が撤廃されて多少輸出企業の環境が改善されたとしても、超円高ですぐに吹っ飛ぶのでメリットが見いだせない。
2.デフレ時にとるべき政策ではない。
3.ラチェット条項により後戻り出来ない。
4.他の経済協定と異なりネガティブリスト方式の為、テーブルに載せられなかった、あるいは未来に出てくる新技術、新サービスなどは自動的に自由化の対象とされてしまう。
5.ISD条項により、NAFTA(北米自由貿易協定)においてカナダやメキシコが被ったような莫大な損害賠償が科せられる、国民の健康や雇用などを守る規定が軒並み外国勢力によって変更させられる。


といったところでしょうか。
 特に、3~5はその時々の経済状況に関わらず、日本に大ダメージを与える可能性が高いものです。

 そんなTPPを推し進める産経新聞を始め大手新聞各社は、まずは率先して新聞特殊制度を廃止することで、自ら自由化のメリットやらを享受してみてはいかがですか?


同じカテゴリー(売国法案)の記事画像
【重要】 蠢き始めた闇法案 その2
多文化共生がもたらしたもの その2 ~イタリアからの便り
進行する裏マニフェスト ~最狂編
まもなく動きだす!悪夢の法案
10・17 日本解体阻止!!守るぞ日本!国民総決起集会
それ、マニフェストに載ってませんでしたけど?
同じカテゴリー(売国法案)の記事
 増税に関し、我々が出来る合法的な復讐法とは (2013-10-04 17:41)
 来年4月の消費増税決定 (2013-10-01 19:51)
 動き出した「平成の治安維持法」、人権救済機関設置法案 (2012-01-08 09:05)
 TPPについて地上波でここまで言ったの、初めてじゃない!? (2011-11-19 14:52)
 TPPがさらけ出した野田内閣の本性 (2011-11-11 00:27)
 特別永住者=強制連行された人達という大ウソ (2010-01-21 01:08)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
反TPPを「親中」とレッテル貼りする産経新聞
    コメント(0)